弁理士新時代を迎えて一致団結の下、変えよう日弁!
日本弁理士クラブ 平成16年度幹事長 筒井大和
日本弁理士クラブ(以下、日弁と略す)の会員の皆様におかれましては、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
日弁役員の任期改訂により、平成16年2月1日より、本年度日弁幹事長の重責を担うことになり、既に活動を始めておりますが、この日弁ホームページの場をお借りして、一言ご挨拶をさせて頂きます。
近年の我々弁理士を取り巻く環境は劇的に変化しており、小泉内閣においては、知的財産戦略大綱及び知的財産基本法に基づき、知的財産戦略本部が立上げられ、「知財立国」のスローガンの下に将来の我が国を担うべき知的財産戦略の改革の検討が急ピッチで進められて来ました。そして、現在では、知的財産制度改革推進本部の活発な活動もいよいよ最終段階に入り、戦略提言の取りまとめが行われています。
一方、日本弁理士会においては、昨年度より、新弁理士法の第2次改正に基づき、特定侵害訴訟代理業務に関する能力担保研修がスタートし、初年度として約550名の特定侵害訴訟代理権を有する所謂「付記弁理士」が誕生しました。そして、この能力担保研修は本年度も昨年同様約850名の規模で実施されることが決まっています。
また、昨今の弁理士試験合格者の急増により、弁理士1万人時代の到来が間近に迫って来ており、新人研修制度及び新規業務への対応の在り方等についても、早急に検討・対応することが求められています。
しかし、別の面では、知財重視政策により、弁理士にも従前に増して社会の注目・期待が集まっており、我々弁理士の対応次第では、これまでにない方向性で新規業務に関与できるチャンスは大きく増加していることも事実です。
このような状況の中で、我々日弁は日本弁理士会内の最大組織として、これまでのように日本弁理士会を支える責務がある他、弁理士全体及び日弁を取り巻く環境の変化に対応して、自らが改革・変貌することを迫られています。
すなわち、日弁は50年余の永き歴史を有し、日本弁理士会に対し幾多の有為な人材を輩出し、その運営の中心として貢献して来たことは事実であります。しかし、一方では、弁理士試験合格者の急増に伴う弁理士数の急激な増加の反面、会派に属する弁理士数が伸び悩んでいる等の要因により、日弁を取り巻く状況も確実に変化しています。特に、若年層の弁理士の会派離れは急速に進んでおり、このままでは、近い将来の日弁、ひいては日本弁理士会の運営に対しても、必ず何らかの重大な影響が及ぶものと憂慮されます。
そこで、本年度日弁幹事会としては、標記スローガンの下で、以下の項目を重点テーマとし、その実現の努力を全力投球でする所存です。
1.日弁5派全体の団結の強化(平成15年度の二度の選挙結果等を踏まえて)
2.日弁運営の透明化(日弁会員及び外部の両方に対して)(日弁推薦日本弁理士会役員選挙規則の制定)
3.日弁主導の研修の強化(一般会員研修及び能力担保研修のための日弁研修委員会の常設)
4.日弁会員の増強(その手段・方策の具体的検討・実行)
5.無会派層(若年層)への働きかけ(弁理士試験受験界へのアクセス等)
すなわち、平成15年度の二度にわたる日本弁理士会の役員選挙の結果も踏まえ、日弁を構成する5会派(PA会、春秋会、南甲弁理士クラブ、稲門弁理士クラブ及び無名会)の団結をさらに強化すべく、自らを省みて、変革すべきは自己変革して行かなければならないと考えております。
そのためには、日弁会員内及び外部の両方に対して日弁運営の透明化を図ることが必要である他、日弁主導の研修を強化するなどの方策により、組織離れの傾向にある若年層をも日弁に取り込めるような魅力ある組織に変貌できるよう、日弁研修委員会を常設し、一般会員研修及び能力担保研修等の研修事業の強化を図ることにしております。
また、日弁会員の増強のための手段・方策の具体的検討を行い、たとえば弁理士試験受験界へのアクセス等の対策により、無会派層(若年層)への働きかけを行う必要があるものと考えております。
さらに、上記の諸方策の他、日弁設立の基本的理念に立ち返って、日弁が自己変革を行うために必要な様々な方策を多方面から検討・模索し、できることから実行して行きたいと思っております。
最後に、上記のような日弁の改革を実現するには、日弁会員の皆様全員のご理解とご協力が不可欠です。日弁を真に変革するには、一部の会員の力だけでは限界があります。日弁会員全員が共通の認識の下に努力してこそ、始めて真の改革が成し遂げられるものと信じます。日弁会員の皆様におかれましては、変わらぬご支援を賜りますよう何卒宜しくお願い申し上げます。