日本弁理士会への貢献

近年の日弁輩出の日本弁理士会会長及びその政策概要

日本弁理士クラブから輩出された近年の歴代日本弁理士会会長は、
知財制度を強力に発展させ経済発展に寄与するという目標に向けて、連続性のある政策を掲げて、
具体的な施策を着実に実行してきております。

将来の安定性を確保するための礎を築きます!
~築いてきた礎を次世代に継承する仕組みを整えます~

鈴木一永会長 2023年度 2024年度

2024年度(令和6年度)将来の安定性を確保するための礎を築きます!
             ~築いてきた礎を次世代に継承する仕組みを整えます~

 2024年度は、2023年度の活動を引き継いで、以下の10項目の重点事項を中心とした施策を実行していきたいと考えております。

重点施策
(1)「知財経営支援ネットワーク」の構築強化
 2023年3月に、特許庁、INPIT、日本商工会議所及び日本弁理士会の4者により、「知財経営支援ネットワーク」の構築に向けた共同宣言を行いました。2023年度はこの共同宣言を契機として、特許庁及び各地域の経済産業局、各地の商工会議所、及びINPITと、日本弁理士会各地域会との情報交換を密にすることに注力いたしてまいりました。本年度は、昨年度に引き続き、関係各機関との情報交換を機能させるための「知財経営支援ネットワーク」の構築を進め、構築されたネットワークを活用し、各地域の中小企業、ベンチャー・スタートアップ企業への知財支援を各地域の実情に合って形ですすめていく所存です。

(2)生成AI時代における弁理士の業務を模索
 生成AI時代における新たな環境への弁理士業務の適応が急務であることに鑑み、引き続き情報収集を行うとともに、生成AIの最新動向など生成AIに関する種々の研修を開催する予定です。また、生成AIの利用にはリスクがあることに鑑み、利用に係る指針の策定に向けて準備を進めます。

(3)弁理士の活躍が期待されている業務への対応
 標準化戦略人材や企画開発・交渉人材として、弁理士の活躍が期待されていることから、引き続き関係省庁との意見交換を行うなどして、弁理士が活躍するための具体策を提案します。

(4)農林水産分野における取組を強化
 農林水産分野における取組を強化するため、引き続き関係省庁との意見交換を行うなどして、弁理士が活躍するための具体策を提案します。

(5)知的財産の国際的な保護・活用の促進
 弁理士の強みの一つとして、海外進出支援など、グローバルなビジネスサポートができることが挙げられます。この弁理士の強みをより強化すべく、国際関係活動の拡充を進めます。

(6)知財関連情報収集とその分析
  2024年度に収集した情報の整理、蓄積、活用方法等の具体策を提案します。

(7)2025大阪・関西万博の共創パートナーとしての取り組み
 2025大阪・関西万博の共創パートナーとして、その開催に向けて、関係官庁、関連団体等の外部団体との連携及び協力を強化します。
 また、外部に対して、日本弁理士会の万博支援に関する周知活動を引き続き行います。

(8)DE&Iの取り組み
 「ダイバーシティ:多様性」、及び「インクルージョン:包摂性」に、「エクイティ:公平/公正性」といった考えを更に加え、「DE&I」を推し進める活動を行います。

(9)「キッザニア」の取り組み
 2024年3月のキッザニア東京において、弁理士ウイークを実施いたしました。2024年度は、キッザニア福岡、キッザニア甲子園での弁理士ウイークの実施を実現していきたいと考えております。また、キッザニアの通年(バーチャル又はリアル出展)実現に向けた検討を進めます。

※「 」は、「キッザニア エス.アー.ペ.イ.デセ.ヴェ」の登録商標

(10)その他
 弁理士法人への弁理士以外の者からの出資禁止規定の検討など、弁理士法をはじめとする弁理士関連諸規定等の整備を検討していきたいと思います。
 また、特許出願非公開制度の会員周知、研修を引き続き行います。

2023年度(令和5年度)将来の安定性を確保するための礎を築きます!

 2023年度は、長期にわたる経済低迷、弁理士業務の減少・停滞に鑑み、中長期において持続可能で安定した日本弁理士会組織の構築及び弁理士業務の確保を図るための礎を築くため、以下の活動を行いました。

1.「知財業務の活性化」
◆業務の増加のための施策(各機関との関係構築、知財関連情報の収集、広報推進、中小企業・スタートアップへの啓発など)
・ 特許庁、INPIT、商工会議所、日本弁理士会との4者による「知財経営支援ネットワーク」による連携活動として、各地域会等と連携して、セミナー、交流会等を開催しました。
・ 「知財経営支援ネットワーク」に関し、次年度以降の事業の準備を進めました。
・ 地域会と連携し、セミナー、ワークショップ、講師派遣、等を行いました。
・ 地域会と連携し、金融機関向けセミナーを開催しました。
・ 生成AIと弁理士業務との関係、非弁活動と生成AI、生成AI活用に向けての活動に関する情報を収集し、分析しました。
・ 収集、分析する情報を拡大するとともに、その作業を組織として活動するための組織づくりを検討しました。
・ 関係省庁、関係諸団体のメンバーをリスト化するとともに、名刺のリスト化を一部実施し、今後のあり方を検討しました。
・ 「次年度会務検討委員会運用ガイドライン」に引継ぎに関する指針を規定しました。
・ 2025年の大阪・関西万博開催に向けて、2023.10.29に、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の生徒達に対してXR技術体験会(プレ万博)を開催しました。プレ万博は、YouTubeで配信すると共に、新聞で紹介してもらいました。
・ 2025大阪・関⻄万博の共創チャレンジにも登録している学校との間で支援協定を締結し、世界最大のロボット競技会で金メダルを獲得したロボットサイエンス部の生徒2名に対して出願支援を行いました。
・ 既に実施している地域会の実態を調べ、その実態を他の地域会に情報として共有し、令和6年度の運用開始に向けた準備を行いました。
・ VCとの共催で大規模なVCと弁理士のマッチングを目的としたセミナーを開催しました。
・ 日本弁理士会単独のスタートアップ支援セミナーを3回開催しました。
・ 各地域会と連携し、中小企業向けセミナー、座談会等を開催しました。
◆知財創造教育の強化による中長期的な業務増加(小中学校、大学における知財創造教育、パテントコンテスト・デザインパテントコンテストの強化)
・ 大学、工業高校専攻科の各校における寄附講義へ弁理士を派遣しました。
・ 大学49校に対し、大学寄附講義のニーズに関するアンケートを実施しました。
・ 弁理士という職業の魅力を伝える大学生向けセミナーを開催しました。
・ 大学において、知財セミナー(入門編)を開催しました。
・ 各地域会と連携し、知的財産特別授業を実施しました。
・ 各地域会と連携し、発明工作授業を実施しました。
・ 「弁理士の日記念事業」の一環として、知財ふれあいフェスティバル、子供向け実験教室を実施しました。
・ INPITが主催する発明体験ワークショップ(パテントコンテストへの応募を検討されている学生向けの)に補助スタッフとして会員を派遣しました。
・ 次年度の「パテントコンテスト」に向けて工業高等学校に講師派遣しました。
◆弁理士の認知度向上による中長期的な業務増加のための広報戦略(弁理士の認知度向上のための広報戦略、特許庁・関係省庁等との連携、地域会における広報戦略、組織内弁理士の地位向上など)
・ 昨年度までの広報活動についての検証を行った上で、今年度以降の短・中期的な広報活動の戦略を立案しました。立案した戦略に基づき、インターネットビジネス番組にて対談を行い、YouTube上にアップロードしました。
・ バイオジャパン2023への出展を行いました。
・ アグリテクノフェア2023への出展を行いました。
・ インバウンド知財推進授業(Dicsover IP JAPAN プロジェクト)で、各国知財団体主催のイベントで日本の知財に関するプレゼンテーションを実施しました。IPO年次大会に参加し、ブース出展による日本の知財情報のアピール、及びプレゼンテーションを行いました。
・ 各地域の「発明くふう展」において、協賛広告等を行ないました。
・ 特許庁と複数の委員会で意見交換会を実施しました。
・ 士業団体との集まりである専団連において当番会を担当しました。
・ 商工会議所HPへの広告掲載を行いました。
・ 地域新聞に広告掲載をしました。
・ マラソンへの協賛による広報活動を行いました。
・ 地域会会長インタビュー記事の掲載を行いました。
・ 組織内弁理士協会と意見交換会を行いました。
◆海外からの出願を日本に呼び込み、また日本から海外への出願を促すための施策(情報収集、日本市場の魅力発信、日本出願・海外出願の広報など)
・ インバウンド知財推進授業(Dicsover IP JAPAN プロジェクト)で、各国知財団体主催のイベントで日本の知財に関するプレゼンテーションを実施しました。
・ ボストンで開催された IPO 年次大会に参加し、ブース出展による日本の知財情報のアピール、及びプレゼンテーションを行いました。
・ 日本弁理士会の英文 HP 及び英文パンフレットの見直しをし、一部修正しました。
・ 「Discover IP Japan プロジェクト」の拡充を図るため、派遣回数を増やしました。
・ 海外派遣事業でプレゼンを行う際に、日本弁理士会の英文パンフレットを配布しました。
◆DXによる業務効率化の拡充(勉強会の開催・情報提供体制の拡充など)
・ 対庁書類の受領から期限管理ソフトへのデータ入力までの作業を自動で行う RPAを紹介する動画を作成しました。
・ 顔認証入退管理システムの導入に向けて、入退管理を紙のタイムカードの打刻から、パソコンのログイン・ログアウトに移行しました。
◆弁理士以外の者が実質的に弁理士法人の経営にタッチできないようにするための措置
・ 「出資禁止規定」について、準備を進めました。

2「組織の強化」
◆事業の棚卸し制度の導入
・ ワーキンググループを新設し、各附属機関が実施している事業について、テスト評価を行いました。
・ テスト評価について、各附属機関に対して説明会を開催しました。
・ テスト評価が有効に行えるよう、報告書に作成要領を説明しました。
◆地域会事業を効果的に推進するためのスキームの拡充(地域会における意見交換の機会の拡充など)
・ 国際関連の委員会がある地域会と国際活動センターとの間で、複数回の意見交換会を行いました。
・ 県外の会員が役員を担当しやすい環境を作りました。
◆特許庁と日本弁理士会との連携の強化(特許庁との連携強化、審査官・審判官との共同研究の拡充など)
・ 特許庁弁理士室との意見交換会を定期的に開催しました。
・ 特許庁の審査部、審判部等と意見交換会を開催しました。
・ 審査官等に弁理士の実務を知ってもらうためディスカッション形式の会合やセミナー等を企画するため、1月又は2月に1回程度の頻度でINPITと検討を重ねました。
・ 特許庁主催の審判実務者研究会に弁理士を推薦しました。
◆関係省庁及び関係団体との情報交換、連携強化(関係機関との連携、各自治体との支援協定締結など)
・ 各都道府県の発明協会が開催する発明くふう展などの審査会・表彰式に会員を派遣し、発明協会との連携の強化を図りました。
・ 標準化人材のデータベースであるSTANDirectory にどのような形でかかわることができるか等について検討を行いました。
・ 税関との意見交換会を行いました。
・ JIPAとの交流会を行いました
・ 支援協定に基づいて、各地域でセミナーを実施しました。
・ 信用金庫との間で支援協定を締結しました。
・ 「つながる特許庁」へのパネラー、相談員の派遣、後援協力をしました。
◆情報収集・分析を実施する仕組みづくり
・ 会長室員により実施された生成AIに関する情報の収集・分析を、組織として活動するための組織づくりを検討しました。
◆組織内弁理士(企業内弁理士を含む)の活躍フィールドの拡充(組織内弁理士の声を聴く仕組みの整備、組織内弁理士向けの研修拡充など)
・ 組織内弁理士協会と意見交換を行い、組織内弁理士の声を聞くための仕組みをより具体的に検討するべき等を答申書に纏めました。
・ 知財無形資産ガバナンスガイドラインの研修を開催しました。
・ 大学ガバナンス・コードを念頭においた大学における知財的課題の解決策の検討を行いました。

3「人材の育成・強化」
◆信頼されるプロフェッショナルとしての弁理士の育成(ディスカッション型研修の拡充、業務支援の仕組みづくり、ダイバーシティ推進など)
・ コンサル育成プログラムを集合形式で開催しました。
・ 標準化人材を増やすことを目的の1つとして、2月にワークショップ型の研修を行いました
・ 地域会と意匠委員会と共同で座談会形式の研修を開催しました。
・ 弁理士業務標準の大幅な改訂作業を行い、第16版を発行しました。
・ 会員から事務局へのハラスメントもハラスメントとして定型化するとともに、事務局に外部相談窓口(外部弁護士に委嘱)を設置しました。
・ 日本弁理士会のD&I推進についての対外的周知活動を行いました。具体的には、学生に対するセミナー、JIPA との意見交換会、JIPA 及びWIPO 共催のシンポジウム開催を行いました。
◆知財立国を担う未来の弁理士人材の組織的育成(未就学児、学生等に対する広報、弁理士同士のコミュニケーション機会の確保など)
・ プレ万博イベントを大阪で開催し、大阪のSSHに指定されている高校の高校生を招き、XR等の先端技術に触れるイベントを開催しました。
・ 広報用の説明資料を作成し、多くの学校に対し、キャリア教育授業の実施を打診しました。
・ 3月15日~21日にキッザニア東京にて弁理士事務所ブースを開設しました。キッザニアでの活動に際して特許庁広報課にも情報共有をし、キッザニア特許庁を開設しました。
・ 附属機関及び委員会において懇親会の開催を推奨し、実行しました。
・ 各地域会において、賀詞交換会等の実施を推奨し、実行しました。
・ アンケートの実施について具体的方法を検討しました。
・ 日本弁理士協同組合と、弁理士の職務環境の整備について協議しましました。
◆日本弁理士会の会務への多様な人材の参加を促進する環境づくり(委員会活動等の広報、多様な人材の委員会等での活動支援、若手弁理士の委員会等での活動支援など)
・ 委員会等の活動紹介動画を作成しました。
・ 会務経験のない又は少ない会員を対象として、26個の委員会の委員長・副委員長等が委員会を紹介するイベントを開催しました。
・ 登録5年以内の会員を対象として、委員会活動の内容と、委員会の魅力を知ってもらうため会長と語る会を実施しました。
・ パテント誌1月号の特集テーマを弁理士会の附属機関や委員会とし、各委員会等に協力を得て委員会等の紹介記事を掲載しました
・ D&Iをテーマとした会員相互のオンライン交流会を行い、参加者同士で意見交換等を行いました。
・ D&I推進のためのさらなる課題の抽出について検討しました。女性役員又は女性会員の比率の数値目標化、人事研修的な部署を作る施策について検討し、答申書にまとめました。
・ 委員会に所属している会員やいくつの委員会を兼務しているか等の現状を調査するとともに、参加しやすい開催日程や参加形態等を検討してその結果を報告書として提出しました。

知的財産が支える社会をデザインする!
時代の変化をチャンスに!

杉村純子会長 2021年度 2022年度

2022年度(令和4年度)知的財産が支える社会をデザインする!

1. 社会構造の変化に合致した魅力ある知財制度の実現に向けての積極的な提言
・デジタル化に伴う事業活動の多様化を踏まえたブランド・デザイン等の保護強化等の観点より、いわゆるコンセント制度の導入、一定の場合における自己の氏名を含む商標の登録を可能とする制度の導入、意匠の新規性手続の緩和措置、デジタル空間における模倣行為の防止規定、営業檜物・限定提供データの保護強化規定、国際的な営業秘密侵害事案における日本の裁判所及び日本の不競法の適用を可能とする規定等の、不正競争防止法等(特許法・意匠法・商標法等)の改正の実現に尽力し、第211回通常国会で成立した。
・知財推進計画2023の策定に委員を通じて弁理士会の意見を提言し積極的にかかわった。
・内閣府経済安全保障局と意見交換を頻繁に行い、経済安全保障推進法の非公開特許制度の基本指針の作成に意見を提言した。
・36件のパブリックコメントを、内閣府・経済産業省・特許庁・文化庁・農林水産省・総務省・国税庁等に提出し、積極的に政策提言・意見発信を行った。また知財高裁が実施した第三者意見募集制度に意見を提出した。

2. 弁理士が活動できる範囲が広がる環境の整備
上記1の法改正の実現等に加えて以下の事項を実現・尽力した。
・日本弁理士会・特許庁(地方経産局も含む)・INPIT・日本商工会議所の4者連携を実現した。スタートアップ支援・中小企業に対する知財経営支援ネットワークを4者連携で構築・強化していく4者合意宣言を特許庁にて記者会見を兼ねて実施し、弁理士が中小企業等の支援に更に従事できるような環境整備に尽力した。 
・「スタートアップ知財支援元年」を宣言し、スタートアップ向け「スタートアップ支援セミナー」及び大学向け「スタートアップセミナー」を実施するとともに、地方経産局・県庁等に、スタートアップ支援に関しる弁理士の関与についての説明に尽力した。また「商標は弁理士!」のポリシーのもと、「デザイン・ブランド戦略セミナー」を地方で実施し、ブランド戦略支援における弁理士の役割等を整理して中小企業・スタートアップへの弁理士業務の拡充を図った。また、日本ベンチャーキャピタル協会と弁理士会とが今後連携をして無形資産を経営資産として捉え・投資に活かすセミナーの開催等を実施していくこととした。
・特許庁・日本知的財産協会・内閣府・経産省・中小企業庁・文科省・経団連・日本商工会議所・東京知財センター、日本ベンチャーキャピタル協会・INPIT・知的財産協会・東京地裁・大阪地裁、東京税関・WIPO、IIPPF、CODA等の関連団体と積極的な意見交換を実施し、弁理士会の考えに理解をいただくように尽力した。

                     
3. 国際活動
・中華商標協会と日本弁理士会との間の交流20周年を記念して、新たに協力関係覚書を締結し、セミナー等を実施するとともに、感謝状の授与式を実施した。
・日韓両弁理士会交流40周年記念日韓セミナーを実施し、両会の懇親を深めた。また韓国特許庁及び韓国知財裁判所を訪問し、長官及び裁判所所長等との意見交換を実施した。
・タイ・バンコクでアジアセミナーを実施し、多くの知財関係者に出席いただいた。
・新規にポーランド弁理士会役員・イタリア弁理士会会長と意見交換し、協力関係について構築していくことで合意した。またCIPA、フランス弁理士会会長、シンガポール弁理士会役員、AIPLA、USPTO等と、会合を実施して意見交換した。WIPOを訪問し、Deputy director general, Assistant director general等と会談を実施した。

4. 日本弁理士会の組織・機能強化
・デジタル化・ICT化の促進のため、各種申請書類の押印の廃止を決定した。また会員のマイカーでの旅費交通費の運用指針等を改訂し、また、小中高校の教育支援の報酬指針を改定して、会員周知を行った。
・会員への発送物を可能な限りメール配信とし、発送物を所定の手続により従たる事務所又は自宅へ送付できるように規則を改訂し、一定の要件に該当する自宅兼事務所の所在地を市区町村名までの公表とする規則改正を実施した。会費免除に関する情報にアクセスしやすいように、電子フォーラムトップページに各種申請書・手引きを掲載した。
・事務局のウェルビーイング向上の一環として、時間差勤務における始業時間の見直し、育児短時間勤務の対象拡大、有給休暇の付与の見直し、男性の育休支援のための職員規則の改訂等を実施した。また新型コロナウィルス感染症予防接種後の副反応による特別休暇制度を整備した。また個人情報保護の取り扱いについての研修を実施した。ハラスメント対応役員を定め、ハラスメント対応を行った。
・意匠実務マニュアル・地域振興キャラクターマニュアル・弁理士業務標準等を改訂・更新した。また選挙に関するガイドライン、特許マップ作成手順書を作成して、会員に公表した。
・会員総合データベースの改訂を実施した。また新型コロナウィルス感染者が発生した事務所の支援を行なうサポート体制を会長室に設置した。

5. 広報活動
・日本弁理士会HPを見やすくするための改訂を実施した。
・一般社団法人ブランディング・マネージャー協会と連携することとし、当該協会が実施するシンポジウムに日本弁理士会会長賞を設けて授与することとし、更に当協会のHPに弁理士アピールの談話を掲載した。
・第4回発明楽コンテストでの審査に協力し、日本弁理士会会長賞を山陰地区の高校に授与するとともに、BSS山陰放送にスタジオ出演して、コメンテーターを務めた。
・日本経済新聞の交遊抄への掲載、経団連出版の一般消費者向けの本への原稿掲載、読売新聞のインタビュー掲載、佐賀新聞への掲載等、多くのメディアから掲載の要望があり、弁理士の広報活動に貢献した。
・佐賀県知事とともに、さが園芸888運動推進大会にパネリストとして出席し、農水知財分野における弁理士の役割について話をした。また佐賀県の高校生に「閃きの番人」の本を5000冊寄贈した。                  
・地域経産局がある県庁等に、JPAAサポートデスクのパンフレットを設置してもらうよう依頼した。特許庁HPのトップページに弁理士会HPのリンクを貼っていただいた。

6. その他
・日本弁理士会のSDGs宣言をおこなった。
・国連女性dayに、WIPO、国連と連携して、国際女性day記念トークイベントを実施するとともに、ダイバーシティ&インクルージョン宣言をおこなった。
・SEP研究会設立10周年セミナーを日本弁理士会が共催して実施した。
・2025大阪・関西万博に関し、発明創造教育のためのショートコンテンツを作成した。

2021年度(令和3年度)時代の変化をチャンスに!

1.ポストコロナを見据えた知的財産制度に対する積極的な政策提言:内閣府、特許庁、文化庁、農林水産省等に対して、本年度31件のパブリックコメントを提出しました。特に、新たな実用新案制度についての提言を行いました。

2.中小企業支援事業を積極的に推進:日本商工会議所との定期的な打合せを継続し、出願支援制度の対象を「商標出願」まで広げ、新設の中小企業知財経営推進本部にて特許庁・中小企業庁・商工会議所といった外部の中小企業支援機関との連携を進めました。

3.知的財産の面から社会課題への積極的な取り組み、現場重視(地域会の活動環境の整備):2025年大阪・関西万博の共創パートナーに日本弁理士会として登録しました。

4.コロナ禍による弁理士業務に与える影響への迅速な対応、ウェブ会議システム活用:ウィズコロナ、ポストコロナでの事務所のIT化推進のための方策を会員に周知しました。従前より多くの会員が国際会議に参加できるようにしました。月刊「パテント」の電子書籍化を行いました。

5.弁理士制度の将来を担う人材、特に若手弁理士への多様な機会の提供:外務省JPO派遣制度やWIPOからの求人情報を会員周知することにより弁理士が海外で働くことができる環境作りをしました。各国弁理士会により構成される国際知財団体であるGlobal Networkの会長ポジションを獲得しました。

6.ウィズコロナ・ポストコロナ時代に見合った弁理士のリスキルアップ研修の提供:ライブ配信により提供される継続研修を多数提供するとともに、各地域会により開催されるライブ配信研修を他の地域会の会員も受講可能としました。

新時代の知財立国を切り拓こう!
夢と希望のある知財立国の実現!

清水善廣会長 2019年度 2020年度

2020年度(令和2年度)新時代の知財立国を拓こう!

1.絆プロジェクトの実施
(1)金融機関との絆:ウェブセミナーを6件実施しました。YouTube コンテンツを作成し、3つの金融機関に提供しました。
(2)他士業との絆
・弁護士、公認会計士、行政書士及び中小企業診断士との士業交流会を開催しました。
(3)企業との絆
・よろず支援拠点全国研修会にて弁理士業務を紹介しました。よろず支援拠点22か所を訪問しました。
・中小企業大学校でウェブセミナーを実施しました。
・中小企業庁に訪問して補助金・助成金情報を収集し、会員へ情報発信及び研修を行いました。
・全国の商工会議所に日本弁理士会の相談窓口の情報及び事業紹介動画を配信しました。
(4)アカデミア等との絆
・大学のバイオやAI 等の先端技術分野への対応可能性を問う会員アンケートを実施し、UNITTへ提供(会員とのマッチングの基礎データを提供)しました。
(5)弁理士同士の絆
・経産省・文科省などと共同して産学官連携に関するウェビナーを開催しました。

2.知財経営コンサル事業~弁理士知財キャラバンVer.2~を実施しました(申請支援14件)。
・ビジネスプランコンテストを開催し、東洋経済に広告記事を掲載しました(応募40件)。

3.オリジナルキャラクター「発明王ニバンセンジ」を制作し、全5話のYouTube 動画を配信しました(合計再生回数は183万回超)。
・キッザニア東京にて、弁理士の職業体験アクティビティを開催しました。

4.弁理士制度小委員会に清水会長が委員として出席。同委員会の報告書に基づく弁理士法の改正法律案が令和3年5月14日に国会で可決・成立しました。

5.「新型コロナウイルス感染症 出願支援制度」を新設しました。

6.特許庁と調整し、オンライン研修も単位認定の対象にしました。

7.東京倶楽部ビル14階及び弁理士会館の拡張・整備を行い、弁理士会館に動画収録スタジオを新設しました。

8.ウェブ会議システムの整備を行うと共に、総会にウェブ参加を可能とするための例規改正を行いました。

2019年度(令和元年度)夢と希望のある知財立国の実現!

1.弁理士の活動基盤の強化
(1)業務の掘り起こしを目的に、「弁理士絆プロジェクト」を企画/実行しました。
ア:「金融機関との絆」として下記を実施しました。
・全国の金融機関(506行)を対象にアンケートを実施(186行から関心ありとの回答)
・関連セミナーを18回開催(全国信用組合新聞等に記事掲載)
・時評(2020年1月号)に会長対談掲載
イ:「他士業との絆」として、士業交流会(東京都中小企業診断士協会、第二東京弁護士会)を開催しました。
ウ:「企業との絆」として、意見交換会(日本知的財産協会JIPA、日本規格協会JSA)を開催しました。
エ:「アカデミア等との絆」として、産学連携に関するセミナーを開催しました。
オ:「弁理士同士の絆」として、事業承継や連携を希望する弁理士のためのマッチングセミナーを開催しました。
(2)事務所インフラの効率化を目的に、下記を実施しました。
・クラウド会計ソフト提供のfreee社、クラウド特許出願管理ソフト提供のroot-IP社、PRA導入支援サービス提供のアビリティ社へのヒアリング
・特許事務支援サービス提供のWis知財コンシェル社へのヒアリング

2.中小企業支援の方策
(1)知財経営コンサル事業~弁理士知財キャラバンVer.2~として、特定キャラバン事業(2件)を実施しました。
(2)共同研究開発付随業務(技術移転等)の支援として、経産省及び文科省との意見交換会を開催しました。

3.弁理士の国際業務を支援
ア:会員交流の場を設けるため、弁理士会館1階を改修し、「JPAAラウンジ」を創設しました。
イ:国際会議へのブース出展を支援するため、米国知的財産者協会(IPO)の会合に弁理士会ブースを出展しました。
ウ:アジアツアーとして、一般参加者を募り、会長引率の下、中国(北京)の裁判所、法律事務所を見学し、また現地代理人と共にセミナーを開催しました。

4.地域知財の活性化を支援
・巡回特許庁と連携し、10都市でのコラボセミナーを開催しました。

5.日本弁理士会の組織改革を推進
(1)弁理士制度120周年記念事業を企画/実行しました。
(2)知財普及活動の強化及び弁理士知名度の向上を目的に、著名人(古坂大魔王さん、大原優乃さん)による動画(ミュージックビデオ)を作成しました。
(3)弁理士法その他の法改正に関連して、「農林水産知財」「一人法人制度」「法人名称(弁理士法人)」に関する立法事実の論点を整理/検討しました。

知財の輪の更なる拡大を目指して
広めよう、知財の輪

渡邊敬介会長 2017年度 2018年度

2018年度(平成30年度)知財の輪の更なる拡大を目指して

1.「知財広め隊」
(1)知的創造サイクルの活性化と、弁理士の業務環境の改善として、「知財広め隊」を53箇所で開催しました。
(2)「知財広め隊」とコラボした弁理士知財キャラバンを実施しました。
また、従来の支援企業への提案までの対応に留まらず実行支援まで行う「特定支援型キャラバン」(全6 回訪問)を試験的に実施しました。
(3)知財広め隊を通じて、特許庁、地域の経済産業局、地方公共団体、商工会議所、商工会、発明協会、金融機関等との連携強化を図りました。

2.海外へのアピール
(1)中華全国専利代理人協会及び中華商標協会の年次大会にて、日本の制度、知財裁判制度などに関しプレゼンテーションを実施しました。
(2) IPO(米国)年次総会で、ブース出展して日本の知財制度を、アジア委員会の会合で、日本の知財制度のプレゼンテーションを実施しました。
(3) AIPLA(米国)Pre-Meeting にて、二日間、日本の知財制度のプレゼンテーションを実施しまいた。
(4) AIPLA(米国)Mid-Winter Meeting にて、日本の知財制度のプレゼンテーションを実施しました。

3.知財の普及活動及び弁理士知名度向上のための広報戦略の実施
(1)バナー広告、SNSを利用した広告、交通広告、ブックカバー広告、丸の内でタレント(足立梨花)を起用したイベントを企画/実施しました。
(2)知財広め隊の活動の内容が新聞記事や地元の経済誌に掲載され、開催地域の弁理士の知名度を高めることに貢献しました。

4.全国の「支部名称」を「地域会」に変更するために必要な例規の改正、準備を行いました。

5.関係団体連携促進WG設置
 日本知的財産協会及び大学技術移転協議会(UNITT)等のユーザ団体、日本知財学会等の学術団体、日本医療研究開発機構(AMED)等の権利者団体との連携の強化を図りました。

6.中長期課題検討委員会の設置し、下記の検討を行いました。
(1)人の意識の変化、社会の情勢の変化が知財に与える影響について外部シンクタンクへ調査を依頼し、報告書を作成しました。
(2)課題調査WGを設置し、委員会数、委員数、諮問の適正化及び日本弁理士会の中長期の課題等のために必要な調査・情報が提供できる仕組みを構築しました。

7.弁理士法改正検討項目を整理し、一人法人の導入の検討、 法人名称の検討、 周辺業務の標榜業務化を行いました。

8.広告についての会員規律
(1)弁理士倫理上問題となる恐れのあるウェブサイトについて、該当する会員について、現行の広告ガイドラインを用いて自主的な改善の申し入れを行い、改善をしました。
(2)会員の広告に関するガイドライン及び事件の受任についてのガイドラインの改訂を行いました。

9.報酬分配、複数弁理士が所属する場合の利益相反及び秘密保持、紹介料の支払い禁止規定について検討を行いました。

2017年度(平成29年度)広めよう、知財の輪

1.「知財広め隊」
(1)中小企業の知財マインドを向上させ、潜在的能力を引き出し、弁理士のコア業務充実を図る目的で「知財広め隊」を企画/実行しました。
 知財広め隊は、中小企業の経営者向けに成功事例等の知財セミナーを開催し、その後に地元弁理士との交流会をセットで開催し、41都道府県で55回開催、経営者約2,100名が参加しました。
(2)知財広め隊を通じて地方公共団体、経済産業局及び金融機関等との連携を強化しました。
(3)「知財広め隊」とコラボした「弁理士知財キャラバン」を実施しました。

2.全国の「支部名称」を「地域会」に変更するために必要な検討を行いました。

3.知財の普及活動及び弁理士知名度向上を図るための広報活動
(1)インナー調査、アウター調査を実施し、短中期の5カ年計画で弁理士の名称認知度10%向上を目指す広報戦略を策定しました。
(2)弁理士紹介の漫画『閃きの番人』の制作と内外へ周知をしました。
(3)・タレント(小川夏果)を起用したポスターを作成しました。

4.日本知財制度の海外へのアピール
(1)ヒューストン、サンディエゴにてDiscover IP Japan を開催しました。
(2)IPO 国際会議でセミナーを開催しました。
(3)特許庁、JETRO NYの協力を得て、日本の知財制度の利点を紹介しました。
(4)EPO・epi において日本の知財関連のプレゼンを実施しました。

5.出願経験があるクライアントへの会員の対応能力の強化するために、外国への出願業務に関する研修を21 回実施しました。

6.グローバル知財人材の育成
(1)グローバル人材育成研修(会の代表として海外で弁理士会をアピールできる人材育成等)を参加者60名に対して全6 回開催しました。
(2)AIPLA 年次総会プレミーティング、Discover IP Japan に一般会員の参加を企画/実行しました。
(3) European IP Law(慶應義塾大学大学院法務研究科 Keio University Law School)との共催による研修を実施しました。

7.中長期課題検討委員会の設定し、日本弁理士会の中長期の課題について検討しました。

8.農林水産関連
(1)アグリビジネス創出フェア2017」にブース出展を行いました。
(2)農林水産関連事業者向けに農水関連のテーマにて広め隊セミナーを実施しました。

世界最高の知財立国を目指して行動しよう!

伊丹勝会長 2015年度 2016年度

2016年度(平成28年度)世界最高の知財立国を目指して行動しよう!

1.「弁理士知財キャラバン」を拡充しました。
 「弁理士知財キャラバン」件数(H27年度+H28年度)、申請企業 合計365件、クライアント向け 合計116件、訪問型コンサル 合計 249件。

2.中小企業支援として、「知財総合支援窓口」への弁理士の推薦、全国の支部室において常設知的財産相談を実施、佐賀県との「知的財産の活用による地域の活性化と産業の振興のための協力に関する協定」の締結、中小企業関係者を主な対象とした「知財ビジネスマッチングセミナー」を行いました。

3.「プレジデントミーティング」を開催しました。<第3回>2017年1月12日(参加:7団体)

4.ジェトロへの人材派遣を行いました。バンコクに1名、ニューデリーに1名を選考。

5.「Discover IP Japan Conference 2017」を開催しました。米国シアトル(ワシントン州)及びパロアルト(カリフォルニア州)。

6.WIPOと協力し、WIPO GREEN のパートナーとして、研修と広報活動を行いました。

7.タイムリーで効果的な広報活動の強化をしました(会員に対する情報発信方法の拡充、TV・ラジオによる広報活動、ホームページリニューアル、広報顧問の活用)。

8.電子フォーラムの記事検索機能強化、新着記事通知機能追加等を行いました。

9.知財創造教育推進コンソーシアムに参加しました。

10.グローバル人材育成研修、支援員養成研修、履修支援員のためのフォローアップ研修を行いました。

11.事務所経営基盤の強化に資する具体的支援を継続して実行しました。

12.知的財産経営センターを設置するための準備を行いました。

2015年度(平成27年度)世界最高の知財立国を目指して行動しよう!

1.「弁理士知財キャラバン」を実施し、訪問型支援により、中小企業に、知財戦略・知財経営の重要性に気づきを与え、知的財産の積極的活用を促しました。
 「弁理士知財キャラバン」件数177件(申請16件+クライアント向け訪問型コンサル161件)。

2.中小企業支援として、22の地方自治体と知財支援協定を締結し、各自治体における中小企業者向けセミナー等に講師を派遣しました。

3.「プレジデントミーティング」を開催しました。<第1回>2015年7月1日(参加:7団体)<第2回>2016年1月14日(参加:10団体)

4.JETROへの人材派遣として、(1)バンコクに1名派遣、(2)ニューデリーに1名派遣しました。

5.海外の知財関係団体(10団体)との会合、国際会議(計8回)への出席、WIPOとの協力(パーマネント・オブザーバー、WIPO GREENパートナーなど)を行いました。

6.広報事業として、弁理士制度の広報活動を強化しました。若者(弁理士試験の受験者となりうる層)への広報、外部専門家への依頼を行いました。また、英語版弁理士ナビを作成しました。

7.支援事業として、知財授業を実績しました(113件)。知財支援協定に基づき、高専に対するセミナーを以下のとおり20校において開催しました。

8.パテントコンテスト及びデザインパテントコンテストを実施しました。

9.知財経営コンサルティングのスキルを持った弁理士の育成(支援員養成研修)、グローバル人材の育成、専権業務のスキルアップ(弁理士育成塾)を行いました。また、英語版の実務者養成講座を行いました。

10.「知財フォーラムin鹿児島2015」の開催を行いました。

11.事務所の経営基盤強化支援として、経営分析システムを作成し、経営改善相談員を派遣しました。

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