政策委員会中間報告
日弁政策委員長 野 本 陽 一
1.今年度の基本運営方針
弁理士法が、このたび改正され、弁理士会では会則等の内容が、これに整合するか否かを検討し策定しなければならない。 当委員会は、改正弁理士法について研究し、理事会の活動が円滑に、かつ的確に進展するため、改正テーマを大きく5つに分けて各部会がこれを分担して担当することとした。この審議内容は必要に応じて適宜日弁一般会員にも伝達するよう努めることとした。 また今回の改正内容を検討し、十分でない事項に関する第2次改正のあるべき姿を明確にしていく必要がある。 また法改正対応だけでなく、日弁と所属各会派とが有機的に連絡し、円滑に活動を展開するための事項を積極的に検討し、審議していくこととした。 一方、日弁以外の各派とは必要な事項に関して適宜意見交換を行うこととする。
2.諮問事項(平成12年4月)
(1) 日弁各派の連係強化のための方策の検討
(2) 弁理士法改正に伴う会則等の改正の検討と対応
(3) 第2次弁理士法改正への方策の検討
(4) 弁理士会理事会からの諮問事項の検討と対応
3.委員会の組織
(1) 全体委員会
(2) 正副委員長会
(3) 部会
4.部会の担当事項
第一部会 弁理士会(自治、組織、役員制度その他)
第二部会 規制緩和(広告、業務、報酬、倫理その他)
第三部会 事務所形態(特許法人、支所その他)
第四部会 試験制度、研修制度
第五部会 弁理士法改正の総括、その他
5.現在までの活動状況
(1) 幹事長よりの諮問事項中「日弁各派の連携強化のための方策の検討」に関して、殊に会長や常議員議長の推薦について日弁が各派連携強化の上で適切に対応することが必要で、そのための組織として今年度も昨年同様「役員選出懇談会」(仮称)を作るべできであるとの結論に達し、幹事長に報告した。
(2) 幹事長よりの諮問事項中「弁理士法改正に伴う会則等の改正と対応」に関して、次の事項の検討を行ってきた。
★1 弁理士会総会について、殊に定足数と委任状制度の是非を検討した。
★2 現行理事制度の改正:会長の職務の継続性を如何に持たせるか、理事会の繁忙性を如何に軽減するか、選挙時期は前年11月が妥当か、などの諸点を検討した。
★3 常議員制度について:現行常議員制度の問題点を考察し、これを審議機関と監査機関に分離する案と、常議員会を廃止する案などを検討した。
★4 その他の会則改正事項について会則改正の事業に当たり、今年度理事会は担当の委員会の審議を通じて活動した結果、8月中旬に既に新会則6次案を作成するにいたった。当委員会はこの改正作業の動向の中で理事会より逐次提示される改正案について、当委員会の意見を伝達してきた。
(3) 幹事長よりの諮問事項中「弁理士会理事会からの諮問事項の検討と対応」に関して、次の事項の検討を行ってきた、
★1 利益相反行為:新弁理士法31条3号における「事件」に「出願」が含まれるか否か、の検討をした。
以上が4月の委員会立ち上げ以降の当委員会の活動概要であるが、本年度は殊に新弁理士法に対応する会則の改正作業に伴う審議に忙殺された。この忙しさも秋の臨時総会を迎えるころには落ち着いてこようが、今後更に短い時間の中での「会令」「内規」の策定作業で理事会のご苦労は更にいっそう深まるに違いない。会則など令規の内容は、弁理士制度を運用していく上できわめて重要であり、当委員会としては、今後も理事会の上記作業に対して建設的な助言を行っていくつもりである。
平成12年度日弁会報第24号より