日本弁理士クラブは、PA会・春秋会・南甲弁理士クラブ・無名会・稲門弁理士クラブの5会派で組織されています

日本弁理士クラブ幹事長挨拶

日本弁理士クラブ幹事長 渡邉 敬介(PA会)

 平成26年度の日本弁理士クラブ幹事長に就任いたしました渡邉敬介です。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
  たまたま機会があり、日本弁理士会の「弁理士業務の将来展望/報告書」を手にしました。この報告書は、野村総合研究所及び三菱総合研究所の協力の下、弁理士業務の将来展望ワーキンググループと調査室が取りまとめたもので、2009年(平成21年)3月に会員向けに発行されております。また、同年11月には、東京、大阪、名古屋の3箇所で、報告内容についてのシンポジウムも開催されております。
 前記報告書の存在については、かすかに記憶があります。しかし、それは、弁理士の将来像について考察した報告書が過去に発行されたことがある、という程度のものです。残念なことに、詳細に読んだ記憶はなく、シンポジウムにも参加していません。今さらながら、もっと早くこの報告書を読み、弁理士のあり方を考えておくべきだったと思っております。
 前記報告書の冒頭には、我々弁理士にとって厳しい状況が述べられています。まず、企業がグローバルな競争の時代に入っていることを指摘し、その表れとして、特許審査の相互利用・相互承認の進展という国際的な事象と、企業の知的財産部門の分社化による内製化、特許出願する発明の厳選化という国内の事象を挙げています。また、弁理士業界に生じている事象として、国内特許出願件数の減少、値下げ圧力による弁理士手数料の低廉化、企業の知的財産部門の分社化に伴う特許事務所との競合、企業による海外出願の直願化を挙げています。
 「弁理士業務の将来展望/報告書」は、前記のように、5年前に書かれた報告書です。この報告書が発行されてから今日に至るまで、アベノミクスによる景気の回復傾向等、明るい話題もないわけではありませんが、上記状況は今も変わっていないと思います。それどころか、弁理士業界の状況はより厳しくなってきているようにさえ思えます。企業がグローバルな競争の時代に入った結果生じている事象には、総て企業の知的財産についてのコスト削減のベクトルが働いていると思います。これは国際競争の重点が価格競争に置かれている間は解消しないと思います。報告書には、この厳しい現状から脱却するために行うべき弁理士務の見直し及び特許事務所経営のあり方に対する提言がなされています。
 日本弁理士クラブの役割には、日本弁理士会への人材の提供の他に、政策の提言があります。日本弁理士クラブは、前記報告書の提言も念頭に置きながら、弁理士がよりその存在価値を発揮できる方策を提言して行きたいと思っています。皆様も是非一緒に考えてください。
 なお、「弁理士業務の将来展望/報告書」は、日本弁理士会の電子フォーラムで入手することができます。まだお読みになっていない方がいらっしゃいましたら是非お読みになってください。
 ところで、日本弁理士クラブは、春秋会、南甲弁理士クラブ、無名会、稲門弁理士クラブ及びPA会という、5つの単位会の集合体です。各単位会においても会員相互のコミュニケーションがうまく取れなければその運営は難しくなります。まして、5つの単位会の集合体である日本弁理士クラブでは、各単位会の会員相互のコミュニケーションの場を工夫しないと、意思の疎通が悪くなり、運営に支障を生じやすくなります。5つの単位会の会員相互のコミュニケーションの場を工夫し、単位会間の風通しをより良いものにして行きたいと思っております。
 昨年度の第2回総会において、日本弁理士クラブの役員の任期が改正されました。改正前は2月1日から翌年の1月31日までの任期であったところ、改正後は1月1日から同年の12月31日までとなりました。但し、経過措置として、本年度の役員の任期は、平成26年2月1日から同年12月31日までとなっております。このため、本年度の役員は、例年とは異なり、11ヶ月という変則的な任期となっておりますが、日本弁理士クラブがより良き活動ができるよう尽力して行こうと思っております。皆様のご支援、ご協力を宜しくお願い申し上げます。