会報第24号・日弁とは

[ ご 挨 拶 ]

日弁とは

日弁常任相談役 浅村皓

 日弁とは、日本弁理士クラブの略称であることは皆様方はご存知のことと思います。

 平成13年1月6日に施行される改正弁理士法によって「弁理士会」が「日本弁理士会」と名称変更されますが、その略称が「日弁」となると我々のクラブの略称と同一となってしまいます。

 さて、日弁の歴史を皆さんご存知でしょうか。ご存知ない方のためにお知らせします。

 第二次世界大戦の終戦間もない昭和22年7月5日に日弁は創設されましたが、その当時弁理士会の役員選挙は現在と異なり連記制であり、多数の小さい会派が他の会派と組まないと当選できない状態でした。その結果、選挙が複雑怪奇であったばかりでなく、弁理士会の運営も円滑に行うことが困難であったようです。そのような事態を解消するために、一部の有力な先輩方が三つの会派をまとめて大同団結して一つの大きなクラブを結成しました。その折、宣言、綱領、政策及び会則を作りましたが、その綱領の一つに、「われ等同志は弁理士会の軸心としてその指導的立場を堅持し特許発明界に対する推進的地位の実現に邁進することを誓約する」と高邁な理想の姿を掲げています。

 日弁は、発足当初は総勢300名程度の個人を主体とする単一組織体から、50有余年の時代の流れに伴って現在では春秋会、南甲弁理士クラブ、PA 会、稲門弁理士クラブ及び無名会の五つの会派による2,000名を越える連合体にと変貌を遂げてきています。

 日弁の主な活動は、日弁創立50周年(平成9年)の際のキャッチフレーズにある「熱き志・重ねる友情」を基として会員相互の親睦、政策、研修等を実行するための調査研究、審議及び弁理士会選挙であります。

 弁理士会には、日弁の他に、弁理士クラブ及び同友会からなる弁理士連合クラブ並びに西日本弁理士クラブ等があり、選挙により理事、常議員、委員等を選出して弁理士会の運営に寄与しております。

 平成の時代になり、電子出願制度の導入、国際条約等への加盟を前提とした特許、意匠、商標等に関する法律の改正、さらには弁理士会の永年の念願であった弁理士法の全面的改正等行われてきており、弁理士会ではそれらへの対応に追われています。これら弁理士会における重要事項を円滑に処理していくためには、弁理士会会員一人一人が自己責任のもと強力に理事会を支持していかなければなりません。日弁は、五つの会派の意見をまとめ弁理士連合クラブ及び西日本弁理士クラブと協調し、弁理士会の活動を支えています。

 改正弁理士法の施行が、来年1月とせまってきている今日程、日弁が一つにまとまっていくことが必要であり、今一度、創設当時の精神に立ち返り日弁存在の意義を十分に認識して、所属会派の協力のもと日弁の強化を図ることにより、弁理士会をさらに発展させていかなければならないと痛感いたします。皆様方の一層のご理解とご協力をお願いします。

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